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「ニュースJAPAN」で滝川クリステルアナの横に座っていた、報道局の安倍宏行さん(@senorbarba)がフジテレビを辞めて独立、本を出されました。
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TV局の人間は驚くほどネット・リテラシーが低い。他の業界と比べても低い方ではないか。確かに、管理職の人間が若かりし頃、インターネットは普及していなかった。そして、もっと不幸なことは、二〇〇五年二月、フジテレビは堀江貴文氏率いるライブドア(当時)に、続いて十月にTBSは三木谷浩史氏率いる楽天に買収されかかった。結果、どちらの局も買収は免れたものの、IT企業を敵視するようになった。
(中略)
ライブドア憎しの空気は報道局にも蔓延し、ツイッターで呟いたり、フェイスブックに投稿したりすることははばかられる状況だった。しかし、私はそんなことはお構いなしに、さっさとツイッターに実名でツイートし始めたし、フェイスブックにも気にせずアカウントを作った。ある時、上司がすれ違いざま、ありがたくも忠告(?)してくれた。「おい気を付けろ。あっち側の人間だと思われるぞ」。あっち側もこっち側もあったもんじゃないが、部下の行く末を思ってくれる上司に感謝しながら、TV局の将来は厳しいな、と思わざるを得なかった。


目玉マークの名刺を捨てて、「あっち側」に転職したボクが通りますよ!
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ボクはLD事件当時、ニッポン放送で番組を持たせてもらっていたので(正社員じゃないよ子会社の雇われディレクターだよ)、ライブドア憎しって空気感はよーく分かるのですが、当時27歳とかだったので、「買収されて無駄に給料高くて使えないおっさんたちクビになればいいのに」って思ってました。なので、フジテレビの人がそこまで憎んでいたとは。そしてそのせい(おかげ)で、放送局のネット利用を遅らせていたとは。事件から9年もたちますが、このことは初めて知りました。

確かにフジテレビには知り合いも多いですが、ちょっと前お台場に遊びに行った時、どのPCもIE使ってて、クローム使わないんですか?ってきいたらクロームって何?って言われたな。ニッポン放送の人は業務中にSNSを使うこと自体どうかと思うって言ってた。ありがたいなあ。

でも、日テレ、テレ朝、テレ東もネット得意なわけじゃないよね。そこは業界横並びだったのでしょうか。とにかくテレビがネットに取り残されてよかった。本気出されたらネットメディアは勝てないですから。

ニュース番組の作られ方が日本一詳しく書いてある本

第2章:テレビニュースの作られ方と問題点
ニュースはどのようにして作られるのか?実はそのことについて詳しく書かれた本はない。この章では、ニュースはどう制作されているのか、また記者はどのようにして取材し、記事を書いているのかを紹介する。
報道局の中で、誰がどう動いて毎日生放送をやっているのか、取材は、VTRは、生中継はと、なかなか知れないことが事細かに書いてあります。
・ニュース項目の決め方
・ニュースの形態
・テレビ記者の仕事ーマンパワーとコストの限界
・ディレクターの仕事ー締め切りに追われる外部スタッフ
・特派員の仕事ー現地の情報提供者が命綱
・キャスターの仕事ー華、経験、教養
・解説委員の仕事ーここでも外注の波が押し寄せる
ニュース番組の作り方がこんなに細かく書かれている本はたしかに初めて読みました。来年、テレビ局を受けようとする大学生は必読。面接で「報道志望です!」とか言っちゃう前に、どうやって番組という商品が作られているか知っておいたほうがいいよね。

久しぶりにレポートの苦労話とかを読んで、ADのころ台風が来ると、お台場の先っぽの堤防行って、ずぶ濡れになって中継やらされたことを鮮明に思い出しましたw

テレビがネットに勝つためにやるべきこと

1、バイラル・メディア部を作る
2、記者を増やす
3、ニュースの解説を強化する(既存の戦力の有効活用)
放送局がバイラル部を作れ→全く同意見です!

こちら、5月に十勝のFM-JAGAさんで講演した時のプレゼン資料。
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この本7月発売ですからパクってませんよ!
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最終形だとは思いませんが、いますぐ放送局がやるべきはバイラルメディア。間違いない。放送の文字起こしもそう。番組の2次利用をネットでいかに展開するかが鍵。

ただココには各芸能事務所からの「2次利用するなら金よこせ」というどデカイハードルがあるんです。最凶の音事協、音制連をはじめ、金と権利の巣窟・芸能界。サイゾーに書いてある3倍くらい怖いんだから本当はw

そのおかげでテレビ局がネットに本格参入しないで助かってるんですけどね。本気出されたらニコ動とかいらなくなっちゃう。おおこわ。

でも、権利処理のいらないアナウンサーや記者などの社員コンテンツおよび報道素材なら話は別。とくにフジテレビはタレントアナウンサーがそろってますから、安倍さんの提案する「バイラルメディア部」はフジが作るべきだと思うんですよねー。女子アナがユーチューバーやったら大儲けできそう。

そして、この本の一番大事なことは147ページに書いてあります。ニュースアプリを比較解説している部分なのですが、
キュレーション・アプリがこれまた乱立してくると、足の引っ張り合いになって、結局共倒れしないか心配になる。案外、コンパクトな芸能情報などをメインコンテンツにした「LINE NEWS」は、その思い切りのよさで、大衆に支持されるのではないか。結構、憎いタイミングで配信されてくるのだ。

さすがに鋭い洞察力と分析力。そうか、LINE NEWSかー。これからは毎日安倍さんのやってるネットメディアJID(Japan In-Depth)読まなきゃな。

正直この本を読む前はJIDを知りませんでした。アクセスしたら、ニコニコ時代にお世話になりまくった角谷浩一さんもいらっしゃるじゃないですか。即ブクマですよ。ですが、3点「JID」の弱点を見つけてしまいました。

JID3つの弱点

◇その1
JIDで検索すると「日本賃貸保証株式会社(JID)」が出てきてしまい、さらに公益社団法人 日本インテリアデザイナー協会 (JID)が続き、全く検索結果に引っかかってこないので、SEOを何とかしたほうがいいかと存じます。
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◇その2
「In-Depth」の英語の意味が分からない。これを書いている時点で、まだ僕は辞書を引いていません。インデプスってなんだ?日本のインデプス。「Japan In-Depth」ってことは、日本にデプスをインするってことなのか、日本の中のデプスってことなのか。僕の教養レベルでは「だいたいこんな意味だろうな」ってことにすらたどり着かないのです。慶応卒でフジテレビのニューヨーク支局長だった安倍さんには信じられないでしょうが、世の中には英検3級に落ちて、トーイック260点の大人もいるのです。ボクです。
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◇その3
記事中央のラージバナーがカラムの幅よりデカくてはみ出してるので、早急に何とかしたほうがいいと思います。
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報道一筋のジャーナリスト


全体を読んでの感想。BSで視聴率を気にしない報道番組への挑戦をしてきて、これからは報道記者を増やしてコンテンツの質を上げ、TVが失った信頼を取り戻せと語る。安倍さんには夢がある。根っからのジャーナリストなんだな…それにはまず放送局社員のくそっ高い給料を下げて、それを制作費にまわしたらいいんじゃないかな。外注のディレクターとか3分の1くらいの年収でやってるし。(安倍さんは外部ディレクターを積極的に増やせって提言してます)

最後に報道部の偉い人だった安倍さんに聴きたいのは報道内容へのスポンサー圧力(営業部からの圧力)と、ニュース番組の情報枠で行われるパブリシティという名のステマについてどう思うか。

ラジオ時代に、大スポンサーのリコールの話題を取り上げるなって報道部に殴りこんできた営業部員と報道部員が大喧嘩して、最終的には制作部会で「最低限の事実だけ取り上げて、コメントなどしないように。ウチは民間企業なんだから」ってお達しを受けた経験があって、ああ、報道部負けたか…って思ったですよ。

こういうのテレビでもよくあるのかな?ってのと、毎日会社でお昼11時半からフジテレビのニュース見てて、あの枠で連日自社のお台場イベントから生中継して告知しまくりで、別にフジテレビだけがやってることじゃないけど、報道番組内で自社への利益誘導をああ露骨にやられると、メディアの信頼もへったくれもないような気がするんですけどどうですかね?電波の私物化にもほどがあるだろうと。

あと情報番組(ワイドショー)を「ワイドさん」と呼んでバカにしてるって元フジテレビの長谷川アナウンサーが言ってましたが本当ですか?
長谷川 情報番組を制作する情報局は、報道局と異なり記者クラブに属しておらず、例えばフジ社内では報道局からは「ワイドさん」という蔑称で呼ばれています。−ビジネスジャーナル

深いねテレビ局。
テレビの裏側がとにかく分かる「メディアリテラシー」の教科書

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それはさておき、テレビの中の人がニュースの作りかたを丁寧に説明したこの本はとても勉強になると思います。ニュース番組のディレクターやってたボクがいうんですから間違いないw

ネットニュース編集者とTV報道にあれこれ言いがちなメディア大好きっ子は夏休みの課題図書として必ず読んでおくように!

※追記
なんと安倍さんが質問に答えてくれました!ありがとうございます!
「圧力で記事を書き換えたことは一度もない」→元フジ・安倍宏行さんからご回答いただきました : たのっちのぶろぐ by @tanocchi


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