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「雇用のカリスマ」海老原嗣生さんの新書:いっしょうけんめい「働かない」社会を作る
安倍政権が掲げる「新たな成長戦略」の一つ、「ホワイトカラー・エグゼンプション」がいかなるものか、そのメリットとデメリットの解説はもちろんのこと、導入をチャンスと捉え今の日本の労働制度をどう変革させるべきなのかを論じた、海老原さん渾身の提言書です。

6月24日、安倍首相が新たな成長戦略を発表しました。そのなかで、最も注目されたものの1つがいわゆる「ホワイトカラーエグゼンプション」の導入でしょう。すなわち、年収1000万円以上の高度専門職に、時間ではなく成果で測る働き方を導入し、16年春の施行を目指すとしています。

これによって気になるのが「残業代」の行方です。これまで残業した分だけもらえていた残業代がなくなるとすれば、「サービス残業」を強いられることになるのでは?という懸念も生まれます。−週刊ダイヤモンド


ここまで聞くと「俺、一生年収1000万超えないし関係ないか。エリートは死ぬほど働けばいいじゃん」って思ってしまいますよね。

しかし、企業がホワイトカラーエグゼンプションを本当に当てはめたいのはその下。モデル年収900万円のヒラ社員だといいます。将来はこれが800万円、600万円と下がってくるのでしょう。そうなると他人事でなくなってきます。
どうひいき目に見ても、日本型雇用は今のままでは、継続不可能な状態になっている。だから私も、やや大きめの変革を起こすこと自体は仕方のないことだとも思う。

日本型雇用というのは新卒一括採用で全員が出世を目指し滅私奉公。大卒で大手企業に入社すれば、誰もが課長になれたという僕らのよく知るサラリーマンスタイル。それが何を生み出したかというと…。
日本型の報酬システムは、同一職務同一賃金ではない。同じポストで同じ事を続けていても、定期昇給や昇級などでベース給与が上がる。さらに、そうして上昇したベース給与に割増し残業代が付加されることで、増加割合が増幅される。こうした構造だから、ヒラで同じ職務を続けていても年収は年齢とともに増えるのだ。

そう、いたでしょ、高い給料もらってるのに使えない上司。「出世コースから外れたくせに」って若手から陰口ばかり叩かれてたあの人。あの頃は想像力が足りなかった。いつか自分もああなるかも、という。

出世もできず、評価もされず


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大手企業の人事部課長を集めて聞いた話が実にゾッとします。
多くの企業で3〜5割程出現している50歳でもヒラの人たちについて詳しく聞いてみた。ヒラであれば定期昇給は維持されるから、彼らの月給はレンジ上限に貼り付くことになる。しかも、役職者でなければ組合員のため、残業代も支給される。

こうした旧来の日本型報酬制度が残存しているため、普通にしていると、月収は課長職とそれほど差がつかなくなる。では、どうやって、彼らと差をつけているのか。

その答えは、賞与による調整にほかならなかった。多くの企業は、ヒラ滞留者に対して、相当悪い査定をつけ、それにより賞与を下げ、ようやく、課長以上と年収差をつけている。

結果はどうなるか?

ヒラ社員として、与えられた仕事をきちんとこなしているにもかかわらず、彼らは恐ろしく悪い評価査定をくだされる。ただでさえ、昇進が止まって辛い思いをしているのに、考課のたびに心を砕かれることになる。

屋台で「チキショウ!」って日本酒あおるお父さんが浮かびましたね。
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出世レースから見放された、一生ヒラ社員の扱いに困っている会社。使えない社員でも定期昇給や昇級があるため、どんどん給料は上がっていくから、会社としてもガンガン働かせたり高い目標設定をせざるを得ない。そんなのクリアできるなら出世しとるわい。で、給料に差をつけるため、ボーナス査定でコテンパンにする。お父さん安酒飲んで愚痴る。

うんうん。日本の縮図です。しかもこのご時世、こんな立場ではいつ肩を叩かれリストラされるかわかりません。これは何とかしたほうがいいんでないの?
今回のエグゼンプション論議は、「定期昇給・昇級・残業代の廃止」という経営都合の日本型の変更のみが、念頭に置かれている。もう一つの日本型の問題、働く人のキャリアや家庭生活の面にもマイナス寄与している部分をも取り除く。そうして仕事・私生活ともに欧米的にいくならば、この変革は悪いことではない。そこを付け加えて実りある変革を起こすべきだ。

つまり、ホワイトカラー・エグゼンプションで定期昇給や昇級、残業代をなくすかわりに、キツイ仕事から開放し、残業も減らして私生活を充実させるのは悪いことじゃないよね、と。

これが海老原さんの言う「いっしょうけんめい働かない社会」

誰も彼も部長とか役員になれるわけないんですよ。才能があって頑張れる人に頑張ってもらいましょう。歯車には歯車の生き方ってのがあります。出世コースがないと分かれば、育休だってドーンと取れますし、年を取れば親の介護問題も出てきます。夢のワークライフバランスです。

ただ…マイホーム買ってたら地獄です。給料上がる前提で組んだローン払えなくなって…。ボクは賃貸派のFPですので思いっきりポジショントークですけど、家買うのはホントに怖い。

まあそしたらマイカーを軽自動車にして、ゴルフやめて、残業なくなって空いた時間で副業ですな。毎日健康食品のアフィブログでも更新してください。人の書いた記事をパクって稼ぐバイラルメディアってのも流行ってるらしいですよ!

それでもある日突然呼び出されてリストラされるよりいいじゃないですか。早いうちにキミは出世できないけど、そこそこの給料でそこそこに頑張ってくれれば悪いようにしないよっていうシステム。

会社としても、ベテランをそこそこの給料で雇えるメリットはとても大きくて、欧米ではこのせいで若者の失業率が下がらないわけですよ。熟練工が安かったらクビにする理由ないじゃないですか。そりゃ新卒いりませんよね。定年まで辞めさせなくていいんだもん。

悪用する奴はどうせ出てくる


著書の中では、ホワイトカラーエグゼンプションを悪用するブラック企業が出てこないようにしっかりと規制もしなければならないと書かれていますが、ブラック勤務上等のマスコミの中でも、特にひどい放送出身のボクにしてみれば「残業代なんてどうせ不払い」「労働基準監督署が入ったってADに人権はない」ということを身にしみて感じています。

IT業界に来てからも従業員の意思を無視して裁量労働制を当てはめ、無理やり雇用契約書に判を押させ「裁量だから」と社員を欺き深夜賃金の割増分さえ払わないという、正社員をコンビニバイト以下の扱いをする某大手の◯◯社を見てきたので、悪用するところはするんでしょうが、人が死ぬから自動車は作らない!というのと同じで、こいうのをやらない理由にしちゃいけません。ホワイトカラー・エグゼンプションがあろうがなかろうが、ブラック企業はどうせ残業代払わないんだから。

さて。
課長島耕作

課長 島耕作(1) (モーニングKC (43))

と、釣りバカ日誌のハマちゃん
釣りバカ日誌(1) (ビッグコミックス)
どちらの人生が幸せだと思いますか?


そもそも、あなたのスキルで島耕作になれますか?


そんなことをじっくり考えさせられる1冊でした。


全国の就活生並びに転職を検討中の20代若手会社員各位、海老原嗣生さんの本はわかりやすくて雇用の実態が理解できるので読んでおいたほうがいいですよ。
海老原嗣生さんの著書一覧
♪♪♪
ユニコーンで「働く男


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