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3連休も開け、2018年もいよいよ本格始動ですね。

正月に子どもを連れて実家に帰ったのですが、母が古い手帳を持ってきました。

「これ、あんたのでしょ?捨てる前に一応聞こうと思って」。
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おー、懐かしい。大学生時代に流行っていたシステム手帳。開いてみると2001年とあります。僕は2000年入社組なので、社会人2年目です。
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当時のお正月は何してたのかな、と開いてみました。2001年12月31日。字が汚くてすみません。鶴光Wというのは笑福亭鶴光師匠の「鶴光の噂のゴールデンアワー」のことです。ラジオでは帯番組のことをワイド番組と呼ぶので、鶴光ワイド→「鶴光W」と書きます。

ちなみに「つるこう」ではなく「つるこ」師匠ですので間違えないようにしましょう。
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鶴光の噂のゴールデンアワーは16時からの生放送。スタンバイは14時入りです。18時まで生放送やって、年越し特番の準備して、朝まで生放送。

元日は1回帰ってシャワー浴びて仮眠して13時から松浦亜弥さんの収録AD。1月2日放送の特番で、紅白初出場の感想とか話したんじゃかなったかな。

僕は夜の番組のADだったので、その間に先輩ディレクターの南條さんが編集して、朝6時から完パケ作業だったんでしょうね。放送業界の年末年始なんてこんなもんです。

229時間も残業してた

ペラペラとめくっていくと…残業229時間の文字。労働時間じゃないですよ、残業だけで229時間です。
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10月は204時間。出勤簿が手書きだったので、一生懸命足し算したんだなあw
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11月は183.5時間。少し余裕がありそうです。
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過労死ラインどころの騒ぎじゃないdeath。
当時の僕は月―金お昼1時〜4時「テリーとうえちゃんのってけラジオ」の中継ディレクターと、オールナイトニッポンなどの夜のチーム「LF+R(エルエフアール)」に所属してました。LFってのはニッポン放送のことです。(コールサインがJOLFだから)。

ディレクターとしてはアイドグループ「dream」(E-girlsのメンバー加入前)の10分番組を持たせてもらってました。優と佳奈は学校帰りに収録に来てたなあ。3人は元気にしてるかしら。

Dear・・・
Dear・・・
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dream 五十嵐充 松室麻衣 橘佳那 菊池圭介 海老根祐子 長谷部優
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それに加えて朝のお天気中継「トヨタ飛び出せ街かど天気予報」やら日曜日の坂上みきさんやら、よくぞまあこんなに番組やっていたこと。

具体的にスケジュールを見てみましょう。
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  • 月曜日 朝5時からトヨタ飛び出せ街かど天気予報、そこからのってけラジオの中継(RC→ラジオカー)、夜8時まで本社で伝票。
  • 火曜日 朝9時から静岡県三島市から中継、LFRドリームプラスやって24時からフライングナイト(現とくダネ!リポーターの荘口彰久さんの番組)、26時まで。
  • 水曜日 朝10時からのってけラジオの中継、会議、外部のスタジオで録音、27時からのオールナイトニッポンR生放送やって朝8時まで。
  • 木曜日 昼14時からネット番組のダビングやって、のってけラジオのブッキングして26時までフライングナイト。
  • 金曜日 朝10時からのってけラジオやってネプチューンのオールナイトニッポンスーパー。
  • 土曜日 朝9時からアッコのいいかげんに1000回やって福山雅治の魂のラジオ。23時に終わってるってことは、生放送前に翌週分を録音したんでしょうね。僕はレギュラースタッフじゃなかったので、録音パートの助っ人だと思います。
  • 日曜日 朝9時から坂上みきのミュージックプレジャー日曜はダメよ、そしてMr.スポーツの録音。
40歳になり、チームメンバーの勤怠管理もするようになった今ならはっきりと言えます。

このスケジュール組んだやつ無能すぎるだろ。

裁量労働制でもなんでもない24歳が、月に200時間以上残業しててそれを放置するどころか、レギュラーで朝10時から翌朝5時までの番組をつけて休日が1日もないとか、北朝鮮の工場でももうちょいなんとかするでしょ。

よく死ななかったな…。

と、思ったら、全く書いたの覚えてないんですが、だいぶ追い込まれてたみたいですね。倒れてるじゃん俺。
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これよくTVで遺族が公開するやつだ。
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過労死を繰り返さないために

僕は格闘技をやっていて頑丈だった&ソルジャー明治大学付属の男子校で根性鍛えられてて生き延びましたが、電通では女性の新入社員が亡くなり、NHKでは31歳の記者が残業159時間で亡くなりました。

この手帳を母に渡される前日に、たまたまTV界の過酷な現状の記事を読んでいたんです。


手帳に書かれた16年前と放送業界は何一つ変わってないんだなということがわかったし、コレはきっと記事を書きなさいよってお告げだったんだろうなと。

放送関係の友達と飲むと、笑い話で「ブラック企業特集のVTRを徹夜で編集する俺たちが一番ブラック」とか言ってたんですが、ブラック企業大賞を放送で取り上げていたNHKがブラック企業大賞にノミネートされ、まさに現実になってしまいました。(NHKはお役所のようなイメージがあるかもしれませんが、めちゃくちゃ体育会系企業です)。

電通事件の時も、もちろん界隈で話題になりました。あの時よく耳にしたのは「気の毒でかわいそうだと思うけど、100時間の残業で死んでたら俺たち何回死ねばいいんだよ」という声。現役の人ほどそうでしたね。

中の人は長時間労働に麻痺しています。僕は放送業界に9年しかいなかったんですが、その間だって知ってる人が何人亡くなったことか。

メンタルやられて休職して総務部預かりになるなんて日常茶飯事(営業さんに多い)。ラジオでさえそうなんですから、TVなんてとんでもなく体壊すわけですよ。

これも正月に読んだ「めちゃイケ」のインタビューで、光浦靖子さんがしれっと語ってたんですが、
光浦「だって『めちゃイケ』は本当に過酷で、そのために体を壊したスタッフもいっぱいいるから。そういう人を集めて、500人くらいで、感謝の気持ちをこめてさ」
http://blogos.com/article/268981/
最後は打ち上げをしたい、という話なのですが、これ、今のコンプラから考えたら言っちゃダメだと思うんですけど、それを「当たり前のこと」として話してしまう、おかしいことだと思わないってのが放送業界が世間とズレてることだと思います。

一昨年のフジテレビ「うたの夏まつり」の番宣がひどかったのも同じ理由です。椅子で寝るADを平気で映して、頑張ってますアピール。「南米のコーヒー農園で、奴隷同然の過酷な条件で子どもたちがこき使われて収穫したコーヒーです、美味しいですよ!」と言ってるのと変わらないんですよ。放送業界もフェアトレードから学んでくれ。

【記事】フジテレビ「FNSうたの夏まつり 海の日スペシャル」の告知動画がブラック企業自慢すぎて草も生えない

このとき、この記事のフェイスブックコメントに、某出版社の偉い人とか、某法政大学でジャーナリズムとか教えている元地方紙の人とかが「椅子で寝てるADを映したら違法なのか」とか「ものづくりに残業は当たり前」とか書き込んでいて、ほんとにマスコミ出身者は「定時で仕事を終わらせられないやつは無能」という意識が欠片もねえなと思ったものです。その翌年電通事件が起こるわけですが。人殺しの理論ですよ。

…ここでフェイスブックのキャプを貼らないのは僕も大人になったなあ。全部残ってるからね。

とはいえ、当時はフジテレビの22階〜24階にニッポン放送があってビル全体が業界そのものだったし、僕も中にいるときはおかしいと思わなかったんです。だってみんな忙しく働いているから。制作会社じゃない局の社員さん(エリート)が同じく250時間とか残業してるし(ただし高給)、初めての休日が3年目になってからとか、武勇伝じゃなく普通の現実としてあったので、当時は今月2回も会社休んじゃったなーみたいなノリでした。

ちなみにこのあと、2004年・2005年あたりは半年で休日が2日とかになります。他の局にも自分の番組を沢山持つようになると更に忙しくなりました。残業代はどんなに働いても40時間分しか出なかったんですけどね。もちろん賃金未払いで違法ですよ。

パワハラ率でいったら自衛隊や消防職員・警察官なんかもハンパないんでしょうけど、ラジオは日陰者が多いので、腕力のある上司がいなくてそこは助かりました。口だけで喧嘩弱そうな人が多かった。

目を覚ませ、そして逃げろ

長々と昔話を書きましたが、結論を言いますと、こういう職場からは逃げるしかないということです。いつの時代もADに人権はないんですもの。

番組制作がどうしてもやりたいなら、ネットでやればいいじゃないですか。放送局の局員ほどの給料はもらえませんが、制作会社の給料くらいはでます。死んだらなんにもなりませんよ。外にも仕事はあるものです。

YouTubeでやったっていいし、ポッドキャストやったっていいし、とにかく人を人と思わない世界からは一日でも早く離れましょう。

月200時間残業してた24歳の僕が、40歳になって残業が月30時間超えたら人事から怒られるようになるってどうやって想像できたでしょうか。

働き方改革だなんだ言いますが、人の意識なんてそうそう変わるもんじゃないです。特に「自分が苦労したんだから若い連中も苦労しろ」みたいなオッサンたちのは。

別に自分がいなくても会社は回ります。番組に穴が空いたって人は死にません。

サラリーマンのいいところはサボっても給料がもらえることです。とにかく定時で帰るんだ、会社がどうなったって知ったこっちゃない、潰れたって知るもんか、俺は副業を頑張る、そういうマインドで望むべきなんですよね。

それをフリーライドだなんだ言う方がダサい。会社でそういう空気を感じたら、大きな声出せばいいんですよ「知るかボケ!」って。

僕らが憧れるべきは島耕作でもサラリーマン金太郎でもなく、釣りバカ日誌のハマちゃんや美味しんぼの山岡士郎です。あれぞワークライフバランス。間違ってもがんばった分しか報われないフリーランスなんかに憧れちゃダメですよ!社畜のフリして2割のエリートに食わせてもらうんです!

幸いなことに正社員をクビにするって、だいぶ大変なんですからこの国では。2018年はコレを机に貼りましょう。
  • 愛社精神を持たない
  • 社員は家族なんかじゃない
  • 定時で仕事を終えられないやつは無能
  • 嫌になったら辞める
今日も帰れない全国のAD・ディレクター・助監督・代理店・プロモーター・マネージャーの皆さん、新しい年の始まりです。勇気を持って「搾取されてる」現実に向き合ってください。

人はいつか壊れます。ポキっと逝く人をたくさん見てきました。自分の身は自分で守るしかないんです。無職になったって最後は生活保護があるんですから、餓死することはありません。いい1年にしましょう。

最後にラジオディレクターらしく、1曲お届けしてこの記事を締めようと思います。
いいな いいな にんげんって いいな

みんなでなかよく ポチャポチャおふろ

あったかい ふとんで ねむるんだろな

ぼくもかえろ おうちへかえろ

でんでん でんぐりかえって バイ バイ バイ
あったかいふとんで眠っていなかった24歳の僕へ。人間以下だったな。

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