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BRUTUS (ブルータス) 2014年 3/15号 [雑誌]

マガジンハウス 2014-03-01
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by ヨメレバ

BRUTUS、5年ぶりのラジオ特集。ぼくがラジオからニコ動へ転職したのが2008年末だったので、ちょうど知らない5年間が1冊にまとまっていました。
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ラジオはマスメディアじゃなくなっていた

BRUTUSに特集された時点でサブカルの1ジャンルとしての称号を手に入れ、ラジオが名実ともにマスメディアでなくなったんだなあとしみじみしながらページをめくっていきます。笑福亭鶴瓶師匠や伊集院光さんといったメジャーどころのインタビューはもちろん、地方局を丁寧に取材しているのがたまりません。

ラジオはローカルメディアだから、地域コミュニテイに根ざしている番組が一番輝いてるんですよね。2011年に遊びに行ったら、なぜかゲストとしてスタジオに入れてもらってしまった長崎放送の「きかせられないラジオ」もしっかり取り上げられていました。まだ続いてたんだ、よかった。
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(↑長崎放送さん第一スタジオ:追記 2014年3月いっぱいで休止してしまうそうです…残念。)

編集部が素晴らしかったのは3月発売のラジオ特集本ってことで「震災でラジオがうんぬん」っていういつのも「いい話」満載で来るのかと思いきや、番組の「楽しさ」を中心にまとめていたこと。

申し訳ないけど震災とラジオの話、もうお腹いっぱい。防災に役立とうがなんだろうが、つまんない番組しかなかったら、ラジオのスイッチはOFFのまま防災袋で眠り続けるでしょ。もうご家庭にラジオがある時代じゃないんだから。

被災地取材、何度か行って50人くらいに話聞いたけど、ラジオを聞いたって人、一人しか出会えなかった。電気復旧するまでカーナビでテレビ見てたんだって。結構ショックだった。

「ラジオ好き」だけでいいのかい?

で、ここからが本題。

誌面でラジオの未来を語っていたのは伊集院さんとInterFMのピーターバラカンさんくらい。radikoの地域制限撤廃はもとより、世界からアクセス出来ない仕組みはおかしいとか、生で聞く付加価値を生み出して、アーカイブで集客する住み分けはどうだとか、今日からでもすぐやったほうがいい話が出ていた。

そして今回の特集「なにしろラジオ好きなもので2」は、伊集院光さんの見開きインタビューで終わる。
・ラジオは30年前から冬の時代だったから廃れた感は感じていない。
・テレビ、ラジオ、メジャー誌しかなかった時代の3%より、ネットをはじめ選択肢が無数に増えた上での1%のほうがすごいかも。むしろラジオは復権してると言ってもいい気すらする。ーインタビューより
ラジオの魅力を伝える特集だから、前向きに終わる美しさはわかるけど、メディアとして商売が成り立たなくなってきている現状に目をつぶったままでいいんだろうか。

ぼくは「伊集院光のOh!デカナイト」というラジオ番組で人生を変えられた一人で、あの番組を聞いていなかったらラジオディレクターになることもなかっただろうし、今こうして記者をやってたりもしなかった。
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ラジオも伊集院さんも好きだ。でも、このままではラジオに未来はない。

◇ラジオ営業収益の推移◇−総務省
(引用:http://www.soumu.go.jp/main_content/000068606.pdf)
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◇ラジオを巡る経営環境の変化等について◇−みずほコーポレート銀行
(引用:http://www.soumu.go.jp/main_content/000216454.pdf)
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ラジオ業界は25年前にピークを迎え、そこから売上が下がり続けている。2011年でグラフは終わっているので補足すると、2010年1,469億円→2013年1,456億円とここ数年は微減。2014年度の予測は1,451億円。
・2013度の地上波ラジオ営業収入は1.3%減、中短波2.3%減、FM0.1%増程度と見込まれる。金額ベースではラジオ全体で1,456億円、中短波845億円、FM611億円程度
・2014年度の地上波ラジオ営業収入は0.3%減、中短波0.8%減、FM0.4%増程度と予測。金額ベースではラジオ営業収入全体で1,451億円、中短波838億円、FM613億円程度。
−日本民間放送連盟 http://j-ba.or.jp/files/jba101305/20140130JBA.pdf 

でもってリスナーが高齢化=新規ユーザーを獲得できていない。30歳以下でラジオ聞く人は32%ときたもんだ。
ラジオに毎日接触する人は26%いるがこの25年減少傾向、かつ、「高齢化」が進展、「ほとんど・全然聞かない人」は16〜29歳で68%−ラジオを巡る経営環境の変化等について/みずほコーポレート銀行http://www.soumu.go.jp/main_content/000216454.pdf

これはあくまで放送事業収入なので、グッズ売ったり不動産で稼いだりすればいいっていう話もありますが、広告費が下がり続けているってのが問題で、広告費だけで見ると、2000年 983億円→2013年 516億円という縮小で、メディアとしての価値が下がり続けている現実。
20余年間の広告費推移をグラフ化してみる(上)…4マス+ネット動向編(特定サービス産業動態統計調査)(2014年)(最新)

そして意外とこういう数字を見ない制作現場のスタッフたち。まあ、制作会社の社員とか、自分の会社の売上すら知らなかったりするんで仕方ないんでしょうけど…。

すべてのラジオ局を合わせても6.6%の聴取率

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現場では0.1%の数字を巡って、必死に徹夜で企画出して豪華ゲストのキャスティングをするのですが、すべてのラジオ局を合わせても、聴取率は昨年12月調査で6.6%(首都圏)。関西圏だと6.8%、中京圏も6.8%だったので、ラジオの媒体力は7%弱、ってところでしょうか。ここにはradikoで聞いてる人も含まれます。

・ビデオリサーチ:ラジオ個人聴取率調査結果 2013年12月

ラジオ好きだろ?でも、このままじゃヤバいんだぜ、なくなってもいいのかい?
なんて危機感を煽るメッセージがもうちょっと欲しかった。日本で一番有名なラジオ番組であろう、「オールナイトニッポン」で0.4%とかですからね、聴取率。

ラジオ好きはもっともっとラジオを応援した方がいい。応援ってどうすんのよ?って話ですが、たとえば番組プレゼントに応募するだけでも、営業担当は「御社の製品を番組でプレゼントしたら、こんなに応募がきまして!」とアピールできる。公開録音イベントはスポンサーが来ていることが多いから、参加すれば「こんなに集客力あるのか」となるし、ラジオショッピングで物を買えばダイレクトに応援できる。やれることはたくさんあります。リクエスト1通送るだけでもいいんです。

ラジオ局が消えていく

ここから10年で起きるのは、ラジオ局の統廃合。あなたの好きな番組がなくなるどころか、ラジオ局ごと消えていく。国も、AM事業者のFM同時放送を容認しました。これでAM局とFM曲が別々に存在する必要がなくなる。1県1波の統廃合どころではないんです。
ラジオのAM放送で流れている番組が早ければ来年中にも、FM波で同時放送されることになった。ニッポン放送(東京)やMBSラジオ(大阪)は同時放送する意向。総務省の昨年の調査ではAM局の8割も意欲を示している。ーAMラジオ、FM波で同時放送へ 総務省、規制緩和答申(朝日新聞)

なにしろ、ラジオが正念場なもので。

BRUTUS (ブルータス) 2014年 3/15号 [雑誌]

マガジンハウス 2014-03-01
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